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岩盤とはよく言ったものだ

 医師が患者の症状に合わせて医薬品を指定する処方箋。厚生労働省は省令で紙での発行や保管を義務づけてきたが、電子化の解禁を検討していると聞いた。

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倉庫に眠る書類の群れ。この風景はいつまで…

 病院の診察室で、医師がパソコン画面を見ながら患者に告げる。「アレルギーがありますね。この薬はやめておきましょう」。画面には別の病院も含め、患者が過去に服用した薬がずらり。初診でも、簡単に患者の状況がわかる。

 大分県別府市。14の医療機関と30の薬局が処方箋を電子データにしてやりとりする実証実験だ。紙だと難しい情報の共有が可能になり、処方のミスも減る。紙の保管場所も要らない。

「調剤しにくい」
 さぞや評判だろう。別府市医師会の担当者に聞くと「薬剤師さんたちは嫌がっています」。紙をパソコンなどの端末に替えると、すぐそばに置けなかったり操作が必要だったりして、調剤しにくいという。

 検討を始めて約10年。省令改正は2015年度中のはずだが、中身は白紙。医療情報を共有すればムダな投薬が減るはずなのに、その機運は乏しい。電子カルテは認められているが、導入は全国の病院の2割どまりだ。医療関係者からこんな話も聞いた。「電子処方箋は医療用医薬品のインターネット販売を可能にする。販売解禁論を警戒しているのでは」

スマホ画像は×
 05年施行の「e―文書法」。企業などが紙で保管してきた文書を原則、電子データで保存できるようにした。だが個別の法令による骨抜きは多い。たとえば、領収書や契約書などの税務書類。7年間の保存が義務づけられているが、電子保存は普及していない。

 「スマートフォン(スマホ)で撮影した領収書の画像ではダメですか」。昨年9月、ソフトバンクモバイル情報システム本部課長の冨永歩さん(49)と担当の黒石真美子さん(29)は東京国税局の担当官に頼み込んだ。グループ会社も含め、1年で約2万枚も集まる領収書を画像での収集と保存に切り替えたい。担当官の答えは「ノー」だった。

 電子保存の条件は厳しい。紙を画像データにする装置は高性能の大型スキャナーのみ。書類発行から1週間以内に読み取る。24時間以内に直属の上司が電子署名をし、日時を示すタイムスタンプを押す。手間も費用もかかる。黒石さんは国税局に断念を伝えた。

 企業は紙の税務書類の保存に年3000億円をかけているとの試算もある。それでも13年までに税務署の承認で電子化した件数は全国でたった120件だ。

 国税庁に聞いた。「紙の質感というか色合いというか。不正があると、なんだかピンと来る。画像データだとそうはいかない」。担当者は企業に立ち入り調査をした若いころを思い出しながら話してくれた。

 批判も多い。政府の規制改革会議の議事録をのぞいた。「電子データの捏造(ねつぞう)を発見するソフトは発達している」(大阪大の森下竜一教授)。「職員をコンピューターに替えなければならなくなることを心配しているのでは」(久保利英明弁護士)

 スマホの普及などで「ペーパーレス」の流れは加速する一方。電子政府をうたうなら、時代に取り残された規制はなくすべきだ。国にそう訴えたい。でも紙の書類しか受けつけませんと言われたら面倒だ――。

 電子版にインタビュー「電子化なぜ進まぬ」▼Web刊→紙面連動

今朝の日経新聞の記事である。

規制緩和というか、これでは既得権益との戦いにしか見えない。

こうも人というのは変化を嫌うものなのであろうか。

この電子化の場合、多くの有益な利便性をもたらす先には、

合理化があり、それは人件費の削減という流れに見えてしまうのであろう。

合理化された後、その業務についていた人は通常は別の業務を担っていただくというのが

普通の考え方であるが、そこには簡単に変化できない人たちが

大勢いるという事実があるのだろう。

いわゆるつぶしが利く人間になっていないのだ。

かつてはスペシャリストだったかもしないが、今となっては、

つぶしが利かない人間としての評価しか得られなくなっているということだ。

それはコンピューターの発達によって、ホワイトカラーの生産性が大きく変化したことによる。

それが現実だということだろう。

同じく生産現場でも自動化の波は猛烈な勢いで迫ってきている。

いづれ人類は、労働から開放されるのであろうか。

その日は、意外に遠くないのかもしれない。

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