最近のトラックバック

« 12月 | トップページ | 靖国参拝 »

貿易収支

貿易収支が連続して赤字続きである。

この原因は、国内で生産して輸出する割合よりも、海外から調達する資材のほうが

金額ベースで大きいからである。

その優しい解説があったので、備忘録の意味でも記事にしておくことにする。

以下がその内容である。


昔は輸出しすぎて「日米貿易摩擦」も
 2008年、日本は28年ぶりに貿易が「単月赤字」になりました。その後、2011年には年間トータルで貿易赤字になり、2012年にはさらにその赤字額が拡大しています。

 日本はかつて「加工貿易」でどんどん海外に商品を売っていました。「日米貿易摩擦」という言葉に象徴されるように、日本は「輸出しすぎだ!」と怒られるくらいだったのです。それが最近では、輸入が増え、輸出額よりも多くなりました。

―――「なんでなの??」

よく言われるのが、「東日本大震災がきっかけ説」です。震災の影響で自動車などの輸出が減り(輸出減少)、同時に原発が停止したことで、代わりの燃料(原油・液化天然ガス)をより多く輸入することになりました(輸入増加)。そのため、「輸出が減り、輸入が増え、貿易赤字になった」と言われているのです。

―――「うーん、、、。みんなで復興に向けて力を合わせないとね!」

たしかに、震災は甚大な被害をもたらし、それによって人々の心にはもちろん、日本経済にも大きなダメージを与えました。しかし、復興したらまた元に戻るかというと、そうとは言えません。
というのは、貿易の構造自体が変わっているからです。

貿易の構造が変わった
―――「貿易の構造? どういうこと??」

日本は長い間「歴史的な円高」に悩まされてきました。円高になると輸出企業の収益が減るからです。たとえば、「1ドル100円」が「1ドル75円」になった場合を考えます。日本で7500円の商品は、
「1ドル100円」の時、アメリカで75ドル(100円×75ドル=7500円)
で売ることができます。でも、
「1ドル75円」になると、この商品は100ドル(75円×100ドル=7500円)
にしなければ売れないのです。

アメリカ人からすると、同じ商品が75ドルから100ドルに値上げされたことになります。値上げされれば当然買わなくなりますので、この為替の悪影響を防ぐために、日本企業はどんどん現地に工場を移動させて、現地で生産活動をするようになったのです。日本にはいわゆる“産業の空洞化”が起きていたわけです。

―――「産業の空洞化って、前から言われてるよね? まだ続いていたの?」

日本の全製造業の売上を100とすると、海外の現地法人で生産されているのは「14.6」(2002年)でした。また2011年には「18」まで上がっています。それくらい日本の海外支社の比重が増えてきているということなのです。

―――「いまいちピンとこない……」

国内の製造業の売上は年間で約400兆円です。そして海外の現地法人の売上は、この18%に相当する約72兆円。非常に単純化させて、「もしこの分を、日本から輸出していたら?」と考えると、72兆円だけ日本の輸出が増えていたことになります。
また、もし海外の支社の比重が2002年と変わらなかったら13.6兆円も日本からの輸出が増えていたことになります。

―――「なるほど、日本から輸出するんじゃなくて、どんどん現地工場で作って売っているわけだね」

海外からの「逆輸入」も
同時に、この現地工場からの逆輸入も日本の貿易赤字を増やしています。

―――「どういうこと?」

日本は自分たちで必要な部品や材料を、生産コストが安い海外で生産しています。東南アジアで製造した方がコストが安くなりますよね。つまり、コストダウンのために海外で生産し、それを“輸入”しているのです。

海外の現地法人が日本に販売している割合は、アジアが18.1%、欧州が3.2%、北米が2.6%です。金額にして、

アジアから  :8.7兆円
ヨーロッパから:3460億円
北米から   :5780億円

合計約9.7兆円を、現地法人から“輸入”しているのです。「海外の方が効率よく生産できる」という状況が変わらなければ、この“輸入”はなくなりません。そして、そのように状況が変わることは、当面はないでしょう。

つまり、日本企業は、自分たちの利益を守るために海外に工場を移し、また利益を確保するために安く生産できる海外工場から“輸入”しているわけですね。この構造は、震災から復興しても変わりません。

―――「なるほどねぇ、じゃあ日本はこれからも貿易赤字が続きそうだね」

そう考えられます。

貿易赤字は悪いこと?
―――「でも、そもそも『貿易赤字』っていけないことなの?」

貿易赤字が増えるということはつまり、「日本製が売れなくなり、外国製が売れるようになる」ということですね。これはつまり、日本人の雇用が減り、外国人に仕事を奪われるということでもあります。

これまで日本の工場であった“ライン”の仕事は、安い海外の労働力に奪われました。代わりに日本人のライン労働者を吸収する産業が育たないと、失業率が高くなってしまいます。国民がどんどん貧しくなってしまいます。

「貿易赤字になっても、投資やコンテンツ権利収入などで外貨を稼ぐことはできるから問題ない」という声もありますが、本当に「問題ない」と言えるでしょうか? 外国に投資して利益を得たり、権利収入を得るのは簡単なことではありません。特に日本人はモノの製造・販売には優れていますが、金融やサービスの扱いは苦手です。

「投資で外貨を稼げるから問題ない」と強がっても意味がありません。日本でしか作れない商品、新しい産業を必死に考え、それを海外に輸出することも常に考えておかなければいけません。

-----

木暮 太一(こぐれ・たいち)

« 12月 | トップページ | 靖国参拝 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 貿易収支:

« 12月 | トップページ | 靖国参拝 »

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ