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サイバー空間の戦い

 「やつらがまた動き出した」。5月17日、米ワシントン郊外。情報セキュリティー会社マンディアントの本社で、最高セキュリティー責任者のリチャード・ベイトリック(41)が耳打ちした。

中国軍「61398部隊」の拠点とされる上海市内のビル=AP

米空軍士官学校でサイバー訓練を受ける士官候補生=AP
 「やつら」とは同社が4カ月前に存在を公表し、その後なりを潜めていた中国のハッカー集団「APT―1」。「攻撃手段は異なるが、同じ標的の同じ情報を狙っている」

 同社は2月、米政府や企業を攻撃するハッカー集団を5年以上追跡した報告書をまとめた。

 陣容は数千人規模、世界中の1千台以上のサーバー経由で141の政府系機関や企業を攻撃――。報告書はAPT―1による組織的な攻撃を克明に記録。使われたIPアドレスや偽メールでウイルスを送り込む手口などから、中国の人民解放軍総参謀部第3部「61398部隊」の可能性が高いと結論づけた。

 APT―1は2011年3月に米IT大手EMCのセキュリティー部門に侵入。パスワード技術を盗み、同年5月に米防衛大手ロッキード・マーチンへのサイバー攻撃に使ったとされる。昨年9月には、北米の半数以上の石油・ガスパイプラインに関する情報を持つ仏企業のカナダ子会社にも攻撃を仕掛けたという。

 ベイトリックは、APT―1の攻撃が「報告書の発表前の6~7割の水準に戻った」と語る。中国のサイバー要員は総勢40万人にのぼるとの見方もあり、ミサイル防衛(MD)など兵器情報が流出した疑いも出ている。

 ネット経由で敵を攻撃し、国家機密や先端技術の情報を探る「サイバーウォーズ」が現実味を帯び始めた。犯罪やいたずらの枠を超え、今や国家間戦争の様相を呈する。

 4月18日、米コロラド州の空軍士官学校。約30人の士官候補生がコンピューターに向かい、次々に襲うハッカー攻撃をはね返していた。演習の敵役は国家安全保障局(NSA)の専門家たちだ。

 同校教授でコーチ役のマーチン・カーライル(42)は「空軍といえば戦闘機パイロットが花形だったが、最近はサイバー戦に進路を変える士官候補生もいる」と語る。

 「これは防御チームではなく攻撃型チーム」。米国防総省サイバー軍司令官のキース・アレグザンダー(61)は3月の議会証言で、13の「サイバー攻撃チーム」を編成していると公言した。

 サイバー分野で、米軍は14会計年度予算で前年度比2割増の47億ドルを要求。増額分の多くを攻撃型能力の開発に充てる。敵のレーダーを機能不全にしたり、ネットワークに侵入してサイバー攻撃を未然に防いだりする技術を磨くとみられる。

 アレグザンダーはサイバー攻撃が「米国のインフラを混乱・破壊する目的なら一線を越えると考える」と警告。報復攻撃も辞さない構えだ。

 6月8日、米カリフォルニア州で開いた米中首脳会談2日目の朝、会議室に緊張が走った。

 「中国からの攻撃で米企業は被害を受け、安全保障にも被害が及んでいる」。米大統領のバラク・オバマ(51)は正面の中国国家主席の習近平(59)にいきなり切り出した。習は「懸念は理解する」としたが「中国も被害者」と突っぱねた。

 実は中国側には余裕もあった。会談直前、米情報機関が市民の通話記録などを秘密裏に収集していた問題が発覚。暴露した米中央情報局(CIA)の元職員は、米国が09年以降、中国と香港にサイバー攻撃を仕掛けたことも明らかにしている。

 一触即発のサイバーウォーズに備え、国際ルール作りも動き出した。

 「タリンマニュアル」。北大西洋条約機構(NATO)傘下の専門家委員会は3月、282ページに及ぶ報告書をまとめた。

 「規模と効果が同じなら通常の武力行使にあたる」「被害国は対抗措置を取れる」――。国際法の基本原則をサイバー空間に適用する95項目の共同見解を示す内容だ。

 マニュアル作りに関わった英王立国際問題研究所研究員のルイーズ・有松(51)は「国際法がいかにサイバー空間に適用されるかを明らかにし、戦闘の範囲を限定させるのが目的」と話す。

 サイバー空間は核ミサイルや通常兵器と同様に抑止や有事対応を問われる新次元に突入した。安全保障の再考を迫るサイバーウォーズの最前線を探る。

(敬称略) 日本経済新聞より

興味深いでは済まされない深刻な事態である。

戦争は昔から情報戦を有利に進めたものが勝つのが、

定石なのだが、

今の情報戦は、昔のそれとは異次元のものである。

情報そのものに到達する手段がインターネットを基本とするサイバー空間を

利用している。

攻殻機動隊というアニメーションがあるが、

その世界を地で行くようなものだ。

新聞の記事になっている時点でその戦いはもはや私たちの想像を超えた世界で、

繰り広げられているに違いない。

パソコンのウイルスバスターなどは、無意味なほど高度なハッキングが

なされているはずだし、

それが兵器と直接リンクしているとすれば、恐ろしい限りだ。

この行き着く先には、なにがあるのだろうか。

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