工程表
昨日の話題は、東京電力と政府の工程表がでてきたことであろう。
ようやく2ヶ月経ってのことだ。
通常業務であれば、各所との調整にこれだけの日数を費やすことは、
よくあることだ。
しかし、こと原発問題に関しては一刻を争うものだ。
いったい政府はなにをしてきたのか。
この表からすると、まだまだ数ヶ月は要するということが確認できる。
おそらくは誰も経験したことのない事態がこれから発生するだろう。
この予定通りにはならないだろうが、これを目安に愚直に進めていく以外に無い。
現場でことにあったっている皆さんのことが心配である。
さて、政府の工程表も発表された。
こちらは、被災地域住民の生命の問題である。
残念ながら、政府の対応はすべてが後手に回っている。
第一に優先すべきことを間違えているからだ。
自分たちの利益を優先する傾向にあることはわかってはいたが、
この非常事態においてもそうであると言うのは、公僕としての使命感の欠落と言われても
仕方が無いだろう。
今年の年末年始で放送されたNHKの番組を思い出した。
いまでは、有名になったマイケル・サンデル教授のハーバードでの授業を
放送していたのだ。
日本では、サンデルの講義の仕方や話し方に話題の中心であるが、
そのハーバード史上空前の履修者数を記録する講義、
「Justice」(正義)がハーバードの学生を捕らえているのは、
本当の正義がなにか、今の世界が問われているからではないだろうか。
それと人気の秘密はサンデルの講義スタイルにあるのだろうが。
さて、その本質の部分である正義。
これについての明確な答えをこの講義では求めてはいない。
サンデル教授のファシリテートで学生たちが議論をしていくのだ。
最終的には多数決を取ることもあるだろう。
だが、それが絶対の意見だと言うことではない。
民主主義とは、そういうものだ。
私が今回の震災で感じていることは、つながりが大切だと言うことである。
それは今までもいろいろな表現で訴えられていたのである。
たとえば、昔はよかったとよく耳にする
なにがよかったのだろうか。
今の殺伐とした社会に対して、貧しいながらにも温かみを感じる生活が
あったからなのではないか。
核家族に対して、大家族。
親子3代が一緒の家に生活することで受け継がれていくもの。
家族の愛情。
ご近所づきあいから生まれる地域の絆。
隣の家に夕飯のメニューまで筒抜けだが、
うちも同じく隣の夕飯メニューは知っている。
ある意味、情報社会。( ̄Д ̄;;
プライベートを重んじるあまり、個人情報保護法などの法律までできてしまう社会。
そうしなければならないまでモラルが低下したのだろうか。
いや、もともと人間とは浅ましい存在で社会が複雑になるにつれて、
巧妙にその浅ましさを隠す技術を身に付けてきたのではないのか。
今回の震災そして原発事故は人知を超えたところで起きたため、
その浅ましい部分が表に出てきているのだろう。
世界が日本人のモラルの高さを賞賛しているが、
果たしてそれは真実なのであろうか。
国民一人ひとりのモラルは高いかもしれないが、
高等技術を身につけている人々(組織)はその保身が最優先していて、
今の結果をもたらしているように思えてならない。
最近私は、社員に会社以外でのコミュニティーに参加するように言っている。
会社とう狭いコミュニティーだけではなく、会社とは関係の無い団体。
とくに地域社会に貢献する団体は、たくさんあるのだ。
消防団でも、PTAでも、区の集まりでも、そうだ。
そしてそこに積極的に参加してもらいたい。
一般メンバーとしてではなく、スタッフとしてである。
そうしなければ、本当のところはわからない。
それが人間の厚みを増してくれるのである。
人としての厚みを増して成長していただければよいのだ。
そういう人たちが一人でも増えていくことが大切だし、
常日頃から、そういうコミュニティーを大切にしていなければならないそう思う。
サンデル教授のハーバードでの講義風景
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